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2010.10.19

ここは天国の豚小屋

スカート派ですか?パンツ派ですか?

以前にも申し上げたことがありますが、私は圧倒的にスカート派です。
理由は一つです。
スカートならばぎりぎりのタイミングだって逃しません。
もうらめええええアウトォオオと思いきや、
スカートだからギリギリセーフ!という経験や数え切れません。
しかしこの間、すっかり油断して我が家のトイレでお花摘んでから
うっかり今日が取水制限の日だったことを忘れていて大変な目に遭いました。



何の話をしているんですか。

スカート派なのかパンツ派なのか、というお話でした。



今までの風潮というか、これは常識と言っても良いレベルで、
世は圧倒的にパンツ派が主流でした。そう、今日は山の話です。
街ではオムtスカート派の私といえども、
さすがに山ではいつもパンツです。ああもちろんおパンツは履いてますよ?重ね着ってやつですよ?

『山スカート』なるものを初めて知ったのは、
今年の夏、日経MJの『ヒット商品番付』でのことです。
その記事を読んだときには「山でスカート履いてるヤツなんていねーよ」と
マスコミの浅はかさを鼻でせせら笑っていたものですが、
先日の鹿島槍、あれ行った時にね、びっくりしたんです。

わらわらいらっしゃるんですよ、山スカート。

街でディンデル(DEAN & DERUCA)に出くわすかそれ以上の割合で、
山スカーター(スカート履いてる人)にお目にかかっちゃいました。
山の中の老若男女いや男はさすがに無いけれども
下は10代と思しき娘さんから上はどう見ても60は超えてる奥様までもが
膝上丈の伸縮性素材でできた山用スカート、
×(そして蛍光色)のカラフルかつ左右で色の違うカラーリングの、
遠目に見たらキカイダーみたいな格好で山を歩いているわけです。


↑これねキカイダー  


さすがにちょっとびっくりしました。
個人的には『山スカート(笑)という受け取り方をしていたので、
こんなにも世の老若女に受け入れられているとは思ってもいませんでした。

チラリズムを期待している諸兄の為にご説明させていただきますが、
生足で膝上15cmの山スカ履いて斜面登ってるわけではありません。
スカートの下には皆様タイツを履いておられます。
暑い時期なら速乾性クール素材のサポートタイツ、
寒い時期ならウールや発熱素材のもこもこシマシマタイツと
ガールたちは街でも山でもマキシマム・オサレです。
もちろん斜面の下から見上げれば、当然スカートの中は丸見えですが、
そこはそれ、パンツじゃないから恥ずかしくないもんと返せるようになれば一人前。

そう、彼女たちはガールはガールでも、新ジャンルな『山ガール』
山で存分におしゃれを楽しむ、全く新しいスタイルの登山者たちです。
開放感ある涸沢でヨガに勤しみ、
鳥のさえずり響き渡る山小屋で読書にふけり、
山頂ではデトックス&リフレッシュのハーブティでほっと一息。

でも、そんな山ガールを苦々しく思っている人間だっているんです。

山ガール、私は苦手です。
オサレ?スカート?ヨガァ???
何寝惚けたこと言ってんだ、ここは山だぞ下界じゃない。
山ってやつはルール違反をしたならばすぐに死と直結する、無情で冷酷な世界です。
それを忘れてノコノコ素人が入ってきて良い世界じゃあないんですよここは。



鹿島槍登頂の一週間後、そのもう少し北部にある白馬岳に、
今度は夫きういと二人で縦走しにやって来ました。
夜行電車『急行きたぐに』で前夜に大阪を出発し、
リフトに乗って栂池自然園へ上がります。

お盆はとっくに過ぎていたのでリフトも並ばずに乗れ、
白馬岳のみ登頂する人は直登ルートである大雪渓を上がるので、
こちらのルートを選択した人はほとんど居ないようでした。
初日唯一のピーク、広くて寂寞とした白馬乗鞍岳は、
私たち二人だけのもの。

と、そこにやって来たのは男性三人女性一人の中高年山岳会の一団。
ピークでオヤツを食べている私を見るなり、男性の一人が言いました。

山男「おっ、珍しいなァ、女の子おるわー。
   あれや、あの、『山ガール』ちゅうやつかいね!」


や、やまがーる、ですとォオオオ!?

高校山岳部&大学ワンダーフォーゲル部出身にして
就職も山関係な私をナメちゃあいけねえよ。
素早く頭に血が上った私は即座にその場に立ち上がったわけです。

私「えへへっそうなんです~!
 山ガールですっよろしくお願いしま~す♪



スカート代わりにメンズSサイズの短パン履いて、
上にはなんかの景品で貰ったアンティーク(ボロボロ)Tシャツをレイヤード☆
更に首には手ぬぐい巻いて、
今日も私ぺんぐりは、『山ガール』の看板背負って山をゆく!

本当は まあカワイイね 山ガール☆

        そう呼ばれたい ぺんぐりの夏


空翔けるペンギンの輝き
↑ペンギンは飛びたくても飛べないのさ

ちょっとだけ時間を巻き戻します。入山してしばらくの地点です。

白馬乗鞍岳まであと一息というところで、とうとう雨に降られてしまいました。
登山には「雨具を着ると雨は止む」というジンクスがあるので
最後まで着ずに頑張っていたんですが、
雨はどんどん強くなり結局諦めて取り出しました。そしたら止みました。ねえ神サマー!?そんなに私のこと嫌いですかー!?

神様なんていないんだよォオ
↑でももう着込んじゃったしいいよ着るよ

お盆の終わりにしては大きく残った雪渓を、
上下雨具を着込んでザックカバーも付けたフル装備で渡ります。

―――これが、私が彼を見た最期の記憶となりました―――

この写真で私が着ている赤の雨具、
たくさんの雨具の中からこれだ!ていうのを選んで買った、
ホントにホントにお気に入りの大事な、大切な相棒だったのに、
街着としても使うくらい愛していたのに、
この日この時に着たのを最後に行方がわからなくなりました…
           (BGM「♪あんなに一緒だったのに」)

白馬岳周辺で4年程前のモデルのパタゴニアの雨具、
赤の女性用XSを拾われた方、どうぞ当方までご一報ください…。

どうぞよろしくお願いいたします…。



初日の幕営地、白馬大池に到着したこの時には、
まさかそんな哀しい宿命が待っているとも気付いていないので
のん気に光り輝く球体なぞ撮影してのんべんだらりとしています。

眩しくて見えない
↑光り輝く球体(地球ね地球)

登山の初日は疲れやすいです。
食べ物が全部入っているので単純に荷物が重いというのもありますし、
大抵初日で尾根に登りきっちゃうので急登が続きます。
更に悪いことに今回初めて使った『急行きたぐに』、
これがJRの本気を伺わせる素敵車両でしてね!とっても悪い意味でね!
今後我々夫婦は、あの列車を『きたぐに』とは呼びません、
「地獄の揺りかご」と呼ばせていただきます。

結局ほとんど眠らず(眠れず)入山だったので、
ひとしきり遊んでご飯も食べて満腹したら、
後はもうテントでごろりちゃらっと横になるだけです。この時まだ18時過ぎ。

そのまま爆睡する勢いでヨダレ垂らして呆けていたら、
外から誰かの声がしました。

「おーいィ、山ガールおるかぁー?」

私「はいはいただいま!ここですよここに居りますよーっ☆」

きうい「ヨダレは吹いた方がいい」

新潟さすがやっぱり新潟

おおう☆
なんと素晴らしいことでしょう、差し入れをいただいてしまいました!

差し入れてくださったのは先ほど白馬乗鞍岳の山頂でご一緒した、
新潟から来た中高年山岳会の皆さんでした。
山ガールブームの前は中高年によるツアー登山が幅を利かせているこの世界で、
こういった古き良き山岳会の方々と交流できるのは嬉しいことです。

この山岳会の方々も私たちと同様にテント泊縦走ということでしたが、
みんなして100リットルのザックで縦走する中高年
さすがに山岳会は違うなあと唸らされました。

※参考までに
今回の山行ではきういが65リットル、
私が44リットルのザックで縦走しています。
おっちゃん、私の倍は担いでる計算ね。


「作り過ぎちゃってなあ、食べてくれんか?」とのことでしたが、
他人にあげるくらいなら尻からでも啜りこむ覚悟の我々からすると、
恵んでくださるなんて彼らは間違い無く神様です。生き神様ここにあり。

こちらの献立は新潟名物『のっぺ汁』というものだそうです。
野菜はともかく、柔らかくてジューシーな鮭と鶏肉はどうしたというのでしょうか。

おっちゃん「保冷剤しこたま用意してなあ、タオルで何重にもして担いだんじゃあ!」

そら100リットルにもなりますわね。

しばし彼らのテントを眺めていると、
テントから出るわ出るわとダンボールが次々と。
今度は食べ物じゃなくてビールでしたけどね。24本×2ケース出てきましたけどね。
日程を聞いてみると二泊三日だそうです。今日と明日くらいビール我慢したらどうかな!

新潟の某山岳会の皆さん、本当に美味しかったです、ありがとうございました。
『本日のビックリドッキリビト』賞を差し上げたいと存じます。

超人1
↑凄まじい容量でフラフラになりつつ今日も出発進行



さて二日目。
今日は白馬三山の主峰、白馬岳を越えて縦走します。
しかし、本命は主峰なんかじゃあございません。
行く前、地図買った時からずっと気になっていた、これです。

ここここんなところに
 黒 い ザ ク !!!

ザクこんなところに居るんですよザク!しかも黒ですよ!
ザク言うてもそんなに詳しくないので大きな声では言えないんですけど
(ついでに周りが全国でもトップクラスに詳しい人たちばかりなので
ヘタなこと言うとマシンガン乱射されそうで怖いんですけど)、

黒いザクって言ったらやっぱりこちら、ですよね?



黒い三連星の皆さん、
過去の愛機をこんな山奥に隠していたんですね…知らなかったな…。
ガンダムがお台場でキャイキャイ言われようと静岡で褒めちぎられていようと、
我関せずと一人静かに富山と長野の境目に佇むとはさすがに旧ザク、渋い。ここなら人目には付き難いですし、
何より人の足か、それこそMSでないとここまで来ることもできません。

というわけで本日は黒いザク目指して白馬岳方面へ進路を取って、
ぺんぐり、いっきまーす!

nice road
コレは良い道だァー!

昨日一気に高度を稼いだ(ロープウェイで)お陰で、
今日は朝から稜線歩き、しかも花と青い空が続く別天地の縦走路です。
北アルプスの南側にはあんまり良い記憶がありませんが、
この道といい前回の鹿島槍といい、なかなか北アも捨てたもんじゃないようです。

来た道眺めると自分の素晴らしさに恍惚
↑ちなみにきういも南アルプス派。なんで我々は今回ここに来たのだろう。

と、近付いてきました『黒いザク』。
ここかここなのかと地図を四六時中確認しながら歩いて、
とうとうザク建立(もしくは埋設)地点に到達いたしました。

私「…」

きうい「…あれだな」

ザクザクザクどこザク
↑oh…

 *山ガールぺんぐりのワンポイント登山講座*
  ザク:砂利ほど小さくはない岩屑が堆積している場所。
    特にヒートホーク等は繰り出さない。


失望ついでに白馬連山は主峰、白馬岳ピークはこんな感じ。

いつもピークはガスッガス
↑何にも見えない明日も見えない行く先も来た道も見えない。

黒ザクでがっかりしているうちに、無情にもどんどんガスが上がってきて
我々が到着する頃には展望ゼロのこの景色でした。
連山のくせに他の山は何一つ見えませんしね!
と、ここで本日のビックリドッキリビトのご紹介。

超人2
↑本日の白馬超人。

ガスガスの白馬ピークにフラリと現れたこちらのおとーさん、
我々がセルフタイマーで撮影中に突如「ここが頂上かァ?」と乱入してくれまして、

きうい「あ、ええ、あの、そうでカシャッ(←シャッター)」

オトサン「ふーん」

と言うや否やクルリと踵を返して、今ご自分が歩いてきた道を戻り始めました。

私「あの、ご休憩とかしていかないんですか?」

オトサン「いらん。下まで戻らにゃならんでな」

私「でも、下からここまで一気に登ってこられたんでしょ?」 ※往復九時間ちょい

オトサン「おお。バス降りて歩き出そうとしたら周りの登山客がな、
     水だけは持って行けー言うんでな、水だけ持ってきた」


彼の手にはペットボトルが一本、装備はそれだけです。
リュックはおろか着替えすらないこのおとーさん、ホントに水だけ持ってきやがった!!!
彼は綿パンTシャツスニーカー&片手に裸のペットボトルで巨大な雪渓登りきり、
頂上滞在2秒でサヨウナラしていきました。

確かに登山の目的はピークハントではありません。頂上なんてオマケですよオマケ。
しかしあまりにも潔くここを立ち去る彼の背中に、
我々はただただ唖然とするしかありませんでした。


そんな白馬岳直下にあります白馬山荘&白馬岳頂上宿舎。
私たちはテント泊なのでどちらの小屋にも泊まれはしませんが、
山荘は1200人宿泊可能という巨大なホテル(小屋というよりホテル)、
頂上宿舎は普通に山小屋でしたけど何がスゴイって郵便ポストがある!
これいつ届くんですか?と聞いてみると、
「毎日配達人さんが回収に来る」というお話でした。
ポストマンパネェ。マジパネェ。

ケビンコスナーもびっくり
↑そしてよろしく

小屋の脇のサイト場に到着して、一等地にテントを張った我々は
ミルクティ沸かしてクッキーかじってのんびりリラックス。
一畳そこらの小さなテントで二人してゴロ寝して、
外から優しく流れ込む高山の夏風を感じながら絵はがきをしたためました。

     狭くて汚いけど高山のテントこそが我々の聖地、
          そうここは、まるで天国の豚小屋…


そう書いて家族に送ったら、下山したら実親から
「バカだろオメーらバカだろ」とメールが来てました。賤民はこれだから困ります。

17時には夕飯を食べ終わり、ぼんやり外を眺めていたら、
たち込めていた雲からとうとう雨粒が降ってきました。
きつい夕立です。近くで雷鳴も聞こえます。
明日には止みそうだったので、さほど心配もせずさっさと眠りにつきました。
ちょうどその時、雷雲に隠れた白馬岳の山頂で、
この大雨とカミナリ様にフルボッコにされている
とある山ガール
のことなぞ知りもせず…。



三日目の朝。雨は止みました。晴れ間も見えています。
ところで朝からいきなりのビックリドッキリビトのご紹介です☆
毎日超人に出くわすのは山だからですか?吸引力ですか?

超人3

きうい「…すごいな」

…わかりますでしょうか?
わからないあなたの為にもう一回。
私もきういに指摘されるまで全然気付きませんでした。

超人3・解答

私「…え、マジで?」

これ、人間です。
ご覧の通りここはでっかい岩がゴロゴロしてて寝心地悪いし頂上直下で風も強いし夜は冷えるしそんなことより昨晩雨だったんですけど、
この方寝袋一つに着のみ着で横たわって夜を越えたようです。

また今日も今日とて朝から呆然と見守っていると、
しばらくしてモソモソと寝袋が蠢いて、
中から人が這い出してきました。生きています…!
彼の生存にほっと一息ついて、今日も花の縦走路を進むとしましょう。


ちなみにこの日、二人して朝7時に今日の昼ご飯を完食しまして、
夕飯までの長過ぎる待ち時間に絶望を感じました。

べ、別に行きたくなんかないんだからねっ!
↑朝一だけ見えた北アルプス連峰ズラリ。

ちなみに冒頭の写真にも居ます
↑ぺんぐりを さがせ

調子にのってバシバシ写真撮っていたら、中年男性二人連れの方に
「遠くですごいポーズ取ってるからアイドルかと思ったわ~」
声をかけられました。こんなアイドルはいねぇと思いましたが山ガールはこんなことで挫けません。

そう、山ガールのお話をば一つ!
杓子岳山頂でブロッケン現象に遭遇した時のことです。

 *山ガールぺんぐりのワンポイント登山講座*
ブロッケン現象:霧に自分の影が映りこむ現象。
稜線上で一方は霧、一方は晴れといった状態の時に起こりやすい。
ブロッケンマンとブロッケンJr.との関連性は不明。


ベルリンの赤い雨的なもの
↑特別珍しくはないけどテンションは上がる

影から虹までできちゃって、私の(影の)周りに後光が差しています。
テンション上がって人目も憚らず千手観音ごっこを楽しんでいたら、
濃い霧の中を一人、若い女性がこの山頂へ登ってきているのが見えました。

明らかに全身新品の装備に小ぎれいなブランドもののシャツにパンツ、
ザックに無造作に結わいつけたタータンチェックのストールとくれば、
スカートなぞ無くとも見た目はやっぱり山ガールのそれでした。

遠目に見ても彼女の足取りは重そうでしたが、
徐々に近付いてくる姿を見ていると疲れているというより倒れる寸前。
そして、あと数歩で山頂、というところでハタと足は止まりました。

で、私。あまりにも彼女がバテきっていたので、応援したんです。

「いけるいけるよあと一歩じゃないかどうしてお前はそこで諦めるんだそこで!ガンバレガンバレ諦めんなよ!諦めんなよ!!シャーンナローもっと熱くなれ熱くなれよ!熱い血燃やしていこうよ!あと一歩ダー!イーチ!ニー!!サーン!ダーー!!!」

こんな感じでした。
言葉にすると凄くウザいですけど実際聞くとたぶんもっとウザい。

でも当の山ガール、何故かこの言葉で奮起しちゃいまして、
プルプル震える足を何とか踏み出し、無事に頂上に辿り着きました!
私たちと周りの登山者さんで一斉に拍手して彼女を迎え(盛り上がり過ぎ)、
そして我々は特に絡むことも無くピークを発ったのですが、
この次のピーク、鑓ヶ岳の山頂で彼女が私たちに追いついてきまして、
先程のエールのお礼も忘れない礼儀正しさはガールというより山淑女。
杓子岳でゆっくり休んだのか、今は顔色も良くなって元気そうです。

私「お疲れ~!女の子一人で来たの?小屋泊やんね?」

ガール「そうなんです、こんなに長い距離を縦走するのは初めてで…。
    さっきはお恥ずかしいところをお見せしました。
    もし宜しければ先程のお礼にコーヒー、淹れさせていただけませんか?」


と、ピカピカのザックから出てきたのは
これまたピッカピカのガスバーナー&小型鍋。
我が家の装備は10年モノの錆付きしかないので、
キラキラしたバーナーの眩しさに目を奪われていました。
と、ガールはピカバーナーを逆さまに持つと
「えと、どうするんだっけ…」と不安な気な声で呟いて
適当にガス缶にねじ込んで唐突にプシュウウウウウウウウ

「わあああ抜いて抜いてとりあえず抜いて!」「抜く?抜く!?良いんですか抜いても!?」「抜かなきゃ死ぬ!」

結局、ピカバーナーは再度丁寧にしまい込まれ、
今日のところは我が家の錆付きでコーヒーを淹れることになりました。

ガール「あの…実は買ったばかりで、使うの初めてだったんです…」

私&きうい「だよね!」

「山頂でコーヒーが夢だったんです♪」とほっこりしている彼女に恥辱撮影を強制し、
今日の宿泊地でまた合流する約束をして、
また私たちが先行する形で出発しました。
熱いカフェオレを両手で持って素敵な笑顔でふんわりストールに包まる彼女を見て、
ちょっと山ガールもアリかもしれない、と柄にも無いこと思いました。

熱くなれ
「えっえっ?こんな格好で撮るんですか?普通に撮らないんですか?」「これが普通だ」


三泊四日の最後の夜、今日の宿泊は鑓温泉でございます。
標高2100mに湧出するここ鑓温泉、
何がスゴイって山小屋は毎年春に組み上げて秋には解体というド根性建築精神。
季節営業の山小屋は多いですが、毎度組んではバラすなんて小屋は他に聞きません。
毎年建て替えているだけあって、
建物もトイレも小ざっぱりとして清潔で素敵な小屋&サイト場です。

そして注目すべきはもちろん温泉!
高所湧出量日本一の栄光は伊達じゃない!
小屋もわざわざ源泉直下に造ってるくらいですからね、
混浴の大きな露天風呂に、女性専用の内湯、更には足湯!
首に掛けっぱなしの手ぬぐいが本領発揮する日がようやくやってきました!!

高山温泉では文句無くベスト
ナイス温泉!

!!!だけど!!!

…さすがに痴女な私ぺんぐりと致しましても、
真昼間から混浴に全裸でダイブする勇気は無いのでございます…。
当たり前ですけど登山者には男性が多いわけで、
当然この時間に入浴されているのも殿方ばかりなわけで、
山ガールへの転向を図る身としましてはここはやっぱり自重したいところ。
そもそも痴女でもありませんよコラ。

なので、一時間だけ女性専用になる19時過ぎまでは内湯と足湯でお茶を濁し、
広々露天風呂で楽しそうなきういを尻目にじっと我慢です。
足湯でポチャポチャやっていると、えらくゴキゲンな奴の声がここまで届きます。

きうい「ウッホーイ、気持ち良いよ~!」

頭上の露天風呂を見やると、バカきういがパンイチでポーズをキメていました。
そしてその隣には完全フルティンで仁王立ちしているオトウサンが佇んでいました。
「パンツじゃないから恥ずかしくないもん」が山ガールなら、
「パンツが無くても恥ずかしくないもん」と身を呈して宣言してこそ山男というものでございます。

私「…すごいなあ」
隣に居た女性「いや、大したことないな」
その隣の女性「うちの旦那でもアレくらいあるわ」 私「…そっち?」


今夜は白馬三山縦走、最後の夜です。
夕飯をそれぞれの場所で食べた後、
山頂で出会った山ガールをお夜食に誘ってみました。

到着した時はやっぱり疲労困憊だった山ガール、
だけど温泉から出たらなんとブルーのロングワンピースに変・身☆
―――山ガールのザックの半分は、かわいさで出来ています―――

狭いテントにワンピの山ガールを押し込んで、
今度は紅茶でチョコクッキーを啄ばみながら会話が弾みます。


初心者にしか見えないこの山ガール、お名前はリリーさん
てっきり初登山かと思っていましたが、なんと登山歴は5年になるそうです。
「マジで?」「ホントに?」「すみません年数重ねても全然ヒヨっ子なもので…」

仕事に疲れた時、何の気なしに登った初めての富士山でその美しさに開眼し、
以来、夏は休みのたびに山を求めて歩き回っているとのこと。
「休みの?」「たびに?」「ええあの、そのくせ素人でホントお恥ずかしい…」

映画に旅行にレストランに、今や当たり前になりつつある『おひとりさま』。
山すらその例に漏れず、女性単独行をというガッツには頭が下がります。

私「すごいなあ!私なんか寂しいししんどいし怖いから、いつも誰かと入山してるわ」

リリー「いえ、一緒に行く友達が居ないだけです…」 私「ァ、ゴメンナサイ…」

これまでは日帰り、もしくは下山地で一泊程度の山歩きがほとんどだったそうですが、
今回は意を決して二泊三日の大冒険に乗り出しましたリリーさん!
ルートは私たちと全く同じ。
ということは、私たちよりも一日短い行程で進んでいることになります。

リリー「だから昨日はロープウェイから頂上宿舎まで一気に歩いたんですけど、
    山頂付近の核心部で暗くなっちゃうし雨降るし風すごいし雷落ちるし、
    小屋に着いたら「女性一人でこんな時間まで歩いてちゃダメだ!」って
    別のカミナリ落ちてくるし、ご飯すぐ食べろすぐ食べろって怖いし、
    一人ってほんとイヤだなあと実感しました…」


私「オーウヤッパリタイヘンナノネ…」  きうい「リリーサンガンバッテ…」

あまりにしょんぼりしている姿が痛ましかったので、
「今度一緒に山行こうZE☆絶対一緒に登ろうZE☆」と適当な口約束を交わし、
そうこうしているうちに良い時間になったので外風呂に向かいました。
女の子の山トモが少ないのは私とて同じ、
こうして一緒に温泉に向かえる友達ができるのは本当に嬉しいです。ヤス?何ですかそのオッサン?



東京在住でバリバリお仕事をこなすリリーさんと、
関西の片隅でうまい棒かじってる我々とでは、
約束したものの今後、そうそう会う機会は無いでしょう。

山での出会いなんてそんなものです。
行きずりで刹那だからこそ今を大事にしたい、それは山そのものとも似ています。
山は変わらずいつもそこに在るけれど、
その時のその山にはその時にしか出会えない、だから何度も登るのでしょう。

白馬連山が夏の終わりの最後の夜、私に教えてくれたのは、
忘れかけていた、そんな一期一会を尊ぶ気持ち。

ありがとう、白馬岳。
さようなら、白馬岳。そしてリリーさん。

次逢えるのはいつになるかわからないけど、それまでどうかお元気で。

justnow再入山したい…
↑翌朝午前中に無事下山。私はようやく雨具が無いことに気付いて史上稀に見る低テンション。

















ちなみにここより南方の八ヶ岳にて、
私ときういとリリーさんの三人パーティ
絶好調大騒ぎで縦走し始めるのは、
この登山からおよそ三週間後のことです。

続・熱くなれ
↑だけどそれはまた、別のおはなし。

テーマ : 登山 - ジャンル : スポーツ

コメント一覧

一期一会

はじめまして。
。。。最後、そういうオチですか。。
次のお話、楽しみにしてまーす。

キングでちゅ

こちらに伺って思った事。

うちのブログにはワロス(笑いと和み)がぜぇんぜぇん足らんわっ!!・・・Orz

ぺんさんのワロス文才と必要以上な熱さ(コラ)
オチの上手さ(ウンウンウンw)

山アイドルはペンさんくらいないと務まらんですな^^


PS リンクありがとうございマスタw

スゲぇ~な~

相変わらず元気いっぱいですね☆
雨ガッパは残念でしたぁ~(^ヮ^;)

黒いザクってどんな由来があるんでしょうね??
気になるわ~

山ガールリリーさんもスゴイ。
毎日鳥海山が視界に入りますが登るなんて全く考えないから!(コラ~

山っておもしろい人の宝庫?(含 ぺんぐり様ご一行)
なんだか楽しそうでついて行きたくなりますが罠ですか?


リリーさん頑張ってますねー。
そのうち写真のポージングもバッチリ決まってくるんでしょうね。
楽しみ楽しみ。

登場人物がまた1人ふえた

最近、以前にも増して更にすげく長いので
もう読み物扱いだよ、ココ。
買っておいた短編小説を週末に読むくらいの(笑)

登場人物一覧ほしいね~。
メインのぺん&きう&各姉妹兄弟はもちろん
サブキャラのあつおくん&しずかちゃんとかね。

リリーさんも中々のキャラになりそうね。
っつか、ぺんぐりさんに出会わなければ
きっと普通の人生を送っていただろうに…

星は全てを知っている

>シルシルミシルサマ

初めまして!で、いきなりこんな長い文章にコメント、本当にありがとうございます!

私もこんなに早く再会することになることになるとは思ってなかったんですけどね、
リリーさんと私の関係は、
星が導いた運命(さだめと読む)なのかもしれませんね。。。

ちょっと乙女成分入れてみました。
本当の私はこのようにとっても女の子らしい女の子です。アラサーですけど。
こんなにも乙女な私をどうぞ今後ともよろしくお願いしますね!

山アイドルデチュー

>キングttiサマ

『ワロス』を素で『ロハス』と読み違えた私はどうしたら良いんでしょう…。
『ロハス』は足りているかしら、
ねえ私に『ロハス』は足りているんでしょうか!!!

少しずつ、でも着実に、
目指しているところとは違うところに至りつつある気がします。

山に行くと、どうも物欲しげに見えるらしく、
かなりの割合で食べ物を恵んでもらえます。嫌なアイドルですね…。

リンクは勝手にさせていただきました!反省はしていない!
これからもよろしくお願いしますね!

東北は名山の宝庫

>がんだまーサマ

カッパはね…残念ていうかね…山に行く気力?目的?生き甲斐???
そういうもの全部遺してきてしまったような感じです…。
雨具だけで今回の記事と同量の文章かけるくらい入れ込んでたのに、
どうしてこんなことになっちゃったんでしょう…。

黒ザクは正直ぼんやりとして残念でした。
しかし!今回は通りませんでしたが、
なんとこの白馬連山には『青いザク』なるポイントも地図には記されているんです!!
たぶんやっぱりぼんやりしてるんでしょうけど、
またいつか行こうと思います!

鳥海山は必ず行きます。必 ず 行 き ま す 。
ピークからそちらに向かって手を振るのでよろしくお願いします。

レッツビギン登山!

>さかりかサマ

山は本当に奇人の宝庫です。(含まない ぺんぐり様ご一行)
そういう意味ではブームで増えた山ガールたち、
奇人レベルは低い方が多いので最近の山はちょっとマシかも。
京都も良い山いっぱいですよね!京都北山、好きですぜ☆

今シーズンの遠征登山は終了しましたが、
リリーさんとは何かにつけて会いそうな感じです。
実はちょっと面白い職業の方でして、
仕事のお話聞くだけでもいろいろ楽しいお友達です。
楽しみ楽しみ!

主役交代の危機

>まぐろサマ

これは長かった!
あまりの長さに分割しようかと考えてめんどくさくてやめました。
もっと短く削ろうとも思ったんですけどめんどくさくてやめました。
めんどくさくない校正手段、募集中です!

ところでこんなん書いてみたけどどうですか!
どんなストーリーが展開されるのか楽しみじゃないですか!?

≪この物語の登場人物≫

・ぺんぐり:どこにでもいる普通の美女。モデル、歌手、アーチストと多彩な顔をもつ。
・きうい:ハゲ。

・モア:おしゃれ妹。狡猾。
・エミュ:恋する妹。天然。
・イャンクック:勘違い弟。漫画とゲームの話しかしない。

・あつお:眼鏡の似合う純朴なアスリート青年。
・しずか:小柄で元気なハリキリガール。普通にロハサーで羨ましい。

・リリー:まだいろいろと謎の残る不思議な女性。行動も不思議。
・ヤス:アレの付いてないオッサン。付いてないけどオッサン。

・キティ:守護神。トイレの場所は思い出してくれたらしい。
・ミルキー:リアル守護神。人の言葉は理解するが従いはしない。
・サブ:家出娘。今でも実家に帰ると彼女を求めて徘徊してしまう。
・ゴンタ:不良娘。ヤな奴。
・トラジ:ラッキーボーイ。でも私のことは嫌いらしい…なんで…?


…主人公、『あつお&しずか』にした方が盛り上がるんじゃね…?

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明日、9月23日(日)の上賀茂手づくり市に出店いたします。ブース番号は141番です。お待ちしております!
書いてるひと
三十路…。

ぺんぐり

Author:ぺんぐり
遊ぶことが好きです。
食べることが好きです。
ペンギン命です。

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