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2010.11.24

1122かくもありなん

つい先日、11月22日は「いい夫婦の日」なんだそうですね!
例年、目の前の勤労感謝の日に目がいくので見逃していました。
何故今年は気付いたかと言いますと、CMを見たからです。

一度見ただけなので詳細はちょっと違うかもしれませんが、

ヨメ「いい夫婦の日はすき焼きなんだゾ☆
   だが荷物一つ持てよゴルァ


オット「はい…」

ヨメ「(だって手がつなげないじゃん☆)

という何故か見ているだけで無性に腹の立つCMだったので、
その日の我が家の夕食はラーメンでした。

で、早速「いい夫婦の日」でググってみたら
『いい夫婦の日をすすめる会』などという公式ページに辿り着くわ、
しかもバックにお上(経済産業省!)がついてるわと
意外に大々的キャンペーン張っててびっくらこいたのですが、
一番びっくりしたのは公式ページのトップに、
『パートナーオブザイヤー2010』の受賞者2カップルが
ババンとポーズ決めておりまして、
その二組というのが泣く子も黙る野村元監督&サッチー夫婦と佐々木康介&北斗晶夫婦ですからねパートナーオブザイヤーってちゃんと書いといてくれないと単にベストオブ怖い夫婦にしか見えない組み合わせですなんとかしてください。


さて芸能界最恐カッポーはひとまず置いときまして、
身内の夫婦のお話でもしましょうか。
先日、父方の実家、和歌山より小包が届いたんですよ。
柿やら野菜やら、まあいかにも「田舎」らしいアイテムの中に、
妙にスッとぼけたコイツが入ってたもんですから無視もできません。

謝れ!愛くるしいペン様に謝れ!!!

コイツもコイツでなんか腹立つ顔してんなオイ。

早速送り主、和歌山に住まう私の祖父母、
通称西の魔女(81)永遠の少年(80)に電話してみると、
「アンタ鳥好きやゆうてたやないの」
受話器の向こうでドヤ顔してるのが目に浮かびます。

眉毛がウザイ

フクロウもうちょっとカッコ良いと思うけどね。

祖父母の手作り作品とのことです。
どこぞの道の駅で『クラフトコーナー』なるイベントが開催されており、
面白そうやしやろらよー(和歌山弁)と夫婦二人で
木端や竹クズを切り出したり接着したりで出来たモノを、
さっさと私に送り付けてくれました。
記念に家に置いとくというようなことは絶対にしない夫婦です。

魔女「カニはエェ、おじいちゃんが作ったんよォ、
   ホレ、おじいちゃんこういうことだけは上手にできよるよォ」


と、祖父の作品は手放しで褒める祖母。

ジジイの本気

無駄にうめえええええ

というか魔女さん魔女さん、

こっち見んな

鳥系だけ妙にシュールなんですけど。

まあでも、ちょっと想像してみてください。

道の駅で片隅で、80も越えた老夫婦が二人仲良く肩を寄せて
アーデモナイコーデモナイ言いながらカニやらペンやら作ってる様、
なんだか可愛くないですか?

いい夫婦って、こういうものなんじゃないですか?

反応に困るプレゼント
↑でもなんかムカつく

さてこの二人、確かに可愛い、「いい夫婦」なのではありますが、
かと言って善人かというと決してそういうわけでもないわけで、
いや別に悪人だとか言うつもりはありませんけれども
何がアカンってこのジジイ、破滅的に口が悪い
致命的に口が悪いのでございます。

我が妹エミュちゃんが乙女心付き始め、
お化粧なんかに興味が出てきちゃったとある日に、
彼女にジジイが久しぶりに出会って開口一番
「お前、眉毛あらへんらよォ!どこ落としてきたんよォ!」
大声でしつこく茶化して仕舞には60歳年下の孫泣かしてましたからね、
ついでに横で笑っている私を見るや否や今度は
「お前太ったなあ!」このクッソジジイその口まつり縫いにしてやろうか?

で、さすがに不穏な空気を感じ取った魔女が乱入してくるんですけれども、
「女の子はなぁ、ふくよかな方が可愛いんやもんなあ!」
フォローのつもりなんでしょうけど完全に逆効果ジジイの援護射撃にしかなってないわけでして、
もうこの二人は夫婦揃って口が悪いだけなんだと私は諦めております。



しかし口が悪いなりにそこはやっぱり昭和の女性と言うべきか、
家なるものの捉え方というか、心構えというものについては、
やっぱりしっかり考えてるもんなんだなあと感心したりもしました。

結婚して最初の年末に、私黒豆買ったんですよ黒豆。煮てないやつ。

で、正月用に炊こらよォ(和歌山弁)と思い立ちまして、
我が母がどうせ炊けないのはわかっていたので
私は迷わず西の魔女に「黒豆の炊き方教えて」とメールしたのでした。
魔女からはすぐに電話がかかってきました。

魔女「私が教えちゃらしてもえんやけどエェ、
   あんたはもうきういさんの御家に嫁いだわけやからねェ、
   きういさんのお義母さんに、きうい家の味を教えてもらうべきやァ思うんよ」


ナルホドと!
さすがバァちゃん良いこと言うねと!

私は早速夫きういの母上様に、
「お時間のある時に黒豆の炊き方教えていただけませんか」と
お伺いしたわけです。どうですイイ嫁でしょう?デキル嫁でしょう???

で、きういママのお返事がコレ。

「私はね、毎年伊勢丹で買ってるのよ!
自分で作るよりよっぽど美味しくて、しかもお買い得なの!
ぺんぐりさんにも買っておくわね!」


私ガッカリ魔女もションボリ、
ただ一人きういだけは「まあそんなこったろうと思ってたけどね」と涼しい顔です。
そういうわけで、私の黒豆は結局、魔女直伝の和歌山風味でございます。

毒舌ジジイはさておいて、
私は魔女にベタベタ甘えるおばあちゃんっ子でした。
妹が生まれる度にしょっちゅう面倒見てもらってたせいもあるでしょう。
今も昔も基本、甘やかされてばかりだったので、
黒豆レシピを聞いたとき、最初おずおずと断られた時は、
結婚するってそういうことかと少し寂しくも思ったものでした。



それでもいざ結婚、という段階で、
このジジババの気合の入り方は尋常じゃありませんでした。
別に髪めっちゃ盛ってきたとか手品仕込んできたとかじゃなくてですね、
下世話な話で恐縮なんですが、
この二人からのご祝儀がエライことになってたんです。

式後に一人、整理していた私はあまりにブ厚い祝儀袋に一瞬眩暈がして、
それから即和歌山に電話をかけました。

はっきり言っておきますが、祖父母は決して裕福ではありません。
20年前に自営の紳士服屋を閉めた後は、
二人細々と年金だけで食べている状態ですから、
とてもこんな額は貰えないのでございます。

魔女「ええやないの、ホッ、こんなん気持ちよォ!
   これからいろいろお金も必要になるエェ、もろときもろとき!」


私「気持ちこんなに要らんよ!
  うちら二人とも働いてるんだし、貯金もあるから大丈夫だって!
  二人なんか美味しいモンとか食べてよ!」

魔女「ええからええから~!」  私「えくない!」

としばらく押し問答が続いたところで、
魔女がジジイにチェンジすることになりました。
小声にしているものの、選手交代の二人の会話が丸聴こえです。

ジジイ「なんやどないしたんや、ぺんぐりか」
魔女「なんやぺんちゃん「わてら儲けとるさかい金要らんよってに返す」ゆうて聞かへん」


ババア!人聞きの悪いツギハギすんな!!!

ジジイ「もしもーし!ぺんぐりまた太っ「関係無い!
    じいちゃん私こんなに要らんよ、なんか美味しいモン食べェよ!」

ジジイ「あーなんやコレちょっと聞こえんのやけどもコレあの、
電波ゆうやつちゃうか


ジジイ!それケータイやない!黒電話や!!!

埒が明かないのでZ&B(ジジイ&ババア)の長男、我が父に助けを求めました。
他の親族と比べても額が多過ぎること、
最低でも半返しは受け取って欲しいということを伝えました。

父「よっしゃわかった。俺が説得するわ」

という父の力強い言葉は今でも忘れません。
その15分後に「ぺんぐり、あれはじいちゃんたちの道楽やから、受け取ってやって♪」一瞬で懐柔されて戻ってきたことも、私は忘れません。
子はなかなか親を超えられないものなのです。



そんな風にゴチャゴチャ揉めたりもした私の結婚は三年前、
それ以前に私の父母が結婚したわけでして、
そのもっともっと前に魔女とジジイが結婚してたというのは、
当たり前ですけど少し不思議。どんな式だったのか少し興味あります。

私の生まれた頃から今に至るまでの写真はもちろん、
母が初めて和歌山に来た時の写真(びっくりする程綺麗で今とはまるで別人)、
父や叔父の成長の記録も
全部今まで見せてもらったことがありましたが、
魔女とジジイの結婚式の写真を見せてもらったのは、
この時、私が結婚した直後(実はお金を返しに行った)が初めてです。
(ちなみに結局お金は受け取ってもらえませんでした)


G&B、私と新郎きういの四人で
クエ鍋食べてプッヘリと満足しているところに、
魔女がエッチラオッチラと大量のアルバムを居間に運んできました。
そして私を軽く無視してきういに思い出トーク炸裂です。
ジジイはジジイで酒の相手ができたのが嬉しくて仕方ありません。

「これ、ホッ!ぺんちゃんの入学式よォ!」「きういくんビールお代わりどや」「この頃はねぇぺんちゃんいっつも和歌山から帰るのイヤやゆうて泣いてばっかりやったんよ」「きういくん焼酎はお湯か?水か?氷か?」「ホッ!これはタケシ(父)が初めて歩いた時のよォ!」

いやさすがにオトンの幼少の写真は見せんでもええんちゃう?

この時に初めて魔女ジジイ結婚式の写真を見せてもらったのですが、
魔女の嫌がること嫌がること。
顔真っ赤にしてアルバム抱えて逃げ回るんです。女学生かお前は。
ジジイも頭ポリポリ掻きながらヘヘヘなんて微妙に照れてるし、
何このピンク色の空間。そしてあんたたち幾つよ?


普段は21時に電話しても寝てるくせに、
写真攻めは結局深夜2時まで及び、
アルバムは私のひいばあさんにまで遡り、
ジジイの酒は進み、きういもエライ量を飲まされてました。

相変わらず私のことは忘れて、
でもうきうきと楽しげにアルバムを繰ってる老夫婦を見てると、
これも祖父母孝行かなと少し嬉しくなります。

微笑みながらそっとトイレに立ち、
戻ってくると今度はG&Bがきういに満面の笑顔で張り付いて、
「ぺんちゃんの何が気に入ったん?」「なんで結婚したん?」「可愛いからか?」「アレ可愛いか?」「でもあの子怒るとゴッツ怖いやろ」「ほんま怖いんやで」「可愛いのは気のせいちゃうか」「でも怖いで」
と『ぺんぐり怖い説』を二人して必死に解説していたので、
とりあえず首根っこを捕まえておきました。ほんまシャレにならんこの夫婦。



結婚の思い出をもう一つ。
私たちの婚約指輪は、この真珠の指輪です。

吹っ飛べチハニー&カルチエ!

デザインは古いしそもそもサイズも微妙に合ってないという、
チハニーやらカルチエやらのローキック一発で吹っ飛びそうな安物ですが、
これが私たちの婚約指輪です。

結婚が決まったあと、魔女に貰いました。
魔女が昔、錬金術で創りd自分の結婚した直後に買ったものだそうです。
婚約指輪を買うつもりのなかった私たちは、この指輪に結婚を約束しました。
80越えてデレデレしてる夫婦の指輪に誓う結婚というのも、
悪くはないものだと思うのです。







さてお別れの時間です。
いつもペンギンの落書きまみれの私の日記には、走り書きだけがあります。

11/11 2000 発作
11/12 0000 私・母・長妹 到着
11/13 1000 父到着
    1030 末妹到着
    1600 叔父夫婦到着
11/14 未明 心停止
    1900 通夜
11/15 1200 葬式
    1430 火葬
    1530 迎え
    1600 初七日
    1900 帰宅

発作の四日後にはもう骨になってるとか、
簡単に納得できるわけもありませんが、
西の魔女はあっけなくあっちの世界の人になりました。

魔女はツヤツヤの血色とふっくらした頬っぺたがチャーミングな81歳でしたけれども、
元々、心臓の持病を抱えていました。
だから祖父がいつも傍に居ました。
病院にも買い物にもお散歩にも、いつも二人一緒に出掛けて、
家の中に居る時さえ二人はいつも同じ部屋に居ました。
トイレからなかなか出てこないだけで、祖父は心配になって見に行く有様です。
祖母は「ちょっと迷惑だ」と怒っていました。

祖父は腰と膝が悪くなっており、杖無しでは歩けません。
だから祖母がいつも傍に居ました。
車の運転は祖父がしますが、乗り降りには祖母のサポートが不可欠です。
そして祖母は料理が上手でした。
酒とタバコが大好きな祖父の健康を支えていたのは、
野菜と魚の多い祖母の手料理の役割が大きかったのでしょう。
でも、肉好きな祖父の為に、
たまにビフテキ焼いてあげてたのも知っています。

二人は見事な二人三脚でした。

「例えば草刈すらぁよォ、わしがやるゆうてもあのバアサン聞かんのよ、
 足悪いヤツは座っちょれゆうて外行くんよ。
 んでも立ったり座ったりってのは、心臓に悪いわな。
 だぁら、痛み止めの薬効いてきたらわしやるゆうてるのに、
 一人でこっそり全部刈っちゃうんよ」




担当医の話によると、私たちが到着した時、祖母は既に脳死状態でした。
魂が心臓ではなく意識の中に宿るものだとすると、
祖母の最期の魂は、発作後、
祖母を必死に抱きかかえ、
泣きながら介抱していた祖父の腕の中に在ったに違いないと私は思います。
祖母はきっと幸せな生涯を送りました。
さもなければ、あんなに穏やかな顔で逝けるはずがない。

祖母の心臓はその言動とは裏腹に、
決して丈夫なものではありませんでした。
81年も動いていられたのは、ただただ祖父の力です。





出棺時、係員に離れるよう促されるまで、
顔中ぐしゃぐしゃにしてむせび泣きしながら、
冷たくなった祖母の頬に優しく優しく当てていた祖父の手を、私は一生忘れない。


あの日、ようやく見せてくれた魔女とジジイの結婚写真、
60年以上前の写真を胸に抱いて、
「私ねぇ、この人と結婚してほんまに良かったなあ思うとるんよ」と
やっぱり頬をピンク色にして私の肩を軽くぶった祖母の手を、私は一生忘れない。







老いても尽きても褪せることなく、
いつまでも清く美しい祖父母の絆は、
私の誇り。



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